郡王記   編・著 かすろう

ブログの名前は気にしないでください

なんで「ゴリラ」の本名が「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」なのか?

 現在、世界には名前が付けられている生物は約200万種もいるらしいです。ポケモンが151匹と発表したオーキド博士を鼻で笑えるほどの種類の生物が発見されていますが、まだ発見されていない生物はなんと500万~3000万種もいるそうです。(数については諸説あるようですが。)

 

 

 

学名について

 ところで、みなさんは「学名」というものをご存じでしょうか?例えば我々は「ニホンザル」のことを「ニホンザル」と呼びますよね。至極当然ながら。しかし、英語圏では「ニホンザル」のことを「Japanese macaque」と呼ぶようですね。(monkeyではないようです。)もちろん他の国ではまた別の名前で呼ばれます。Google先生によれば、中国では「日本猕猴」、ロシアでは「Японская макака」というそうです。もはや何て読むのかすら分かりませんよね。しかしながら、国ごとに生物の名前が違うと何かと不便ですよね。下手したら、同じ国内でも動植物の呼び方が違ったりしますもんね。(例えば私の実家の方では牛を「べこ」と呼んだりします。)そこで生み出されたのが「学名」です。この学名、いわば生物の学術上での正式名称のようなもので、これによって国によってバラバラだった生物の姿かたちのイメージと名前を統一して結び付けられたのです。学名は「ラテン語」で付けられれます。「ニホンザル」の学名は「Macaca fuscata」となりこの名前を研究者さんや学者さんが聞けばみんな一斉に

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こいつ

を思い浮かべるというわけですね。 

 

命名の悲劇

世界に200万種も発見済の生物がいるということは、当然200万通りの学名があるということです。名前にも多様性が出てきます。しかし、多様性が確立されるうちに何だか、特徴的で、言い方が悪いかもしれませんが変な名前をつけられる場合もあるようです。日本でもキラキラネームなるものが話題になったりしますが、自分の名前を自分で選べないがための悲劇ということでしょうか。そして、その悲劇に見舞われたのは皆さんがご存じの

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ウホッ

こいつなのです。学名なんと「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」です。きれいに三拍子そろって同じ「ゴリラ」。この統一感には「リンダリンダ」も裸足で逃げ出し、「ハンターハンター」が連載を休止し、果てには仮面ライダーオーズの変身ベルトも拒否反応を起こしてしまうことでしょう。しかしながら、実はこんな名前になってしまったのには「学名」の命名方法の規則と、新たなゴリラの発見という背景があったのです。

 

適当に付けているわけではない

 学名にも、名前を付けるにあたってちゃんとルールがあります。それは「二名法」を用いなければならないということです。どういうことか説明させていただきます。学名には、『種の名前の前に「属」という、その種が所属しているグループの名前を付ける必要がある』というルールがあるのです。

例えばみなさん、「ホモ・サピエンス」という生物の名前を聞いたことがありませんか?これはまさに我々人間の学名なのですが、これは「ホモ」という属の「サピエンス」という種であることを表しています。(ちゃんと書くと、「Homo sapiens」ラテン語で賢い人間という意味のようです。)つまり学名は「〇〇・▲▲」といった形で表記され、これは「〇〇属に分類される▲▲という種」という意味なのです。

 

ゴリラはゴリラ属

 そんでもって、ゴリラの話に戻しましょう。実はゴリラが分類されるのは「ゴリラ」属で、昔はこの属にはゴリラしか所属していなかったのです。そんなわけでこの時点ではまだゴリラは「ゴリラ・ゴリラ」だったわけです。しつこいかもしれませんが「ゴリラ属のゴリラという種」ということですね。まだリンダリンダが張り合えるレベルでしたが、新たな発見によって雲行きが怪しくなっていきます。ちなみに属の名前と種の名前が被るのはそんな珍しいことではありません。「カササギ」という鳥は「ピカ・ピカ」とこれまた変な学名を付けられています。

 

ゴリラは6種いたッ!

 研究が進むと驚くべき事実が発覚します。なんと、西の方にいたゴリラと東の方にいたゴリラが別の種であることが判明したのです。さらにさらに西の「ニシゴリラ」に亜種が2種類、東の「ヒガシゴリラ」にも亜種が2種類いることが発覚してしまいました。ここでそれぞれの種のゴリラの画像をのっけようかなとも思ったんですが、何分シロートなもので、私にも見分けがつかず断念いたしました。上の方に張った画像も実は何ゴリラなのかよくわかっておりません。てへっ。

 さて、こうなるとそれぞれのゴリラに学名を付けてやる必要が出てきます。まず今まで使っていた「ゴリラ・ゴリラ」という名前は「ニシゴリラ」が引き継ぎます。「ヒガシゴリラ」には新しく「ゴリラ・ベリンゲイ」といった名前が付けられます。そして問題はニシゴリラの亜種です。なんと、亜種の学名は基本種の学名にさらに名前をプラスする形で命名されます。「〇〇・▲▲」にさらに追加されて「〇〇・▲▲・■■」といった形になります。察しの良い方ならばもうお気づきかもしれません。ニシゴリラの亜種、「ニシローランドゴリラ」という大物ホストっぽい名前のゴリラの学名に、さらにゴリラを上乗せして「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」という名前が完成してしまった、というのが真実だったのです。もっと言うならば、「ゴリラ・ゴリラ」の亜種の「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」ということですね。余計ややこしくしてしまいましたかね。

 

終わりに

ウィキペディアで生き物を見ると結構詳細にデータが載っています。もちろん私は専門家ではないので内容の添削をしたりするわけではないのですが、変な学名がないかなと探してみるとなかなかに面白いですよ。もしまた機会があればブログで書こうかなぁと思います。最後に「名前は子供のことを考えてつけましょう」ってな感じで締めさせていただきます。